マッチ売りの少女(4)
白い雪はひっきりなしに降っています。
少女はふと、青い瞳をひらきました。
「まあ、ここはどこかしら?」
道子ちゃんは、急いで、少女が軒下で凍え死にそうになっているのを見つけたので、助けてあげようとしたことを話しました。
「じゃあ、おばさんに連れられて、神さまのところに召されていったのではなかったのね。」
とやや悲しそうに言いました。そして雪の中にマッチの光で見た鉄ストーブの温かそうに燃える部屋や、テーブルの上のおいしそうな丸焼きのガチョウの話をして、私は今とっても幸福なのだから、そっとこのままにしておいてほしいの、といいました。
道子ちゃんと束は、顔を見合わせました。
「とっても美しい話だけれど・・・・やっぱりかわいそうだわ。」
このままだと、朝までに凍え死ぬでしょう。
「さあ、マッチ売りの少女さん。わたし、送ってあげるわ。お家に帰りましょう。」
道子ちゃんが言うと、少女は悲しそうに首を振りました。
「だめなの、わたし、お父さんにまた、ぶたれるわ。」