03豊橋エコテクノレース参戦記
3月5日 ==特殊電装株式会社のS13399-250R型モーターを使うことに決める。
3月16日==豊橋商工会議所のエコカー作り方教室参加
3月18日==マイレッジの最終戦に乗ってもらったドライバーに、今回も乗ってもらえることになったので 5号車を使用することに決定。当面はマイレッジで使った車両を利用して、エンジンをモーターに積み替えて参戦します。
3月19日==ギアで減速することにして120コマ、18、20、22の4個のギアを購入。
3月23日==5号車のエンジンを下ろす。フロントホイールのカバーを作る。
5号車アンダーボディ
アルミ、FRP混成モノコック
全長:199.5cm
全幅:70cm(前輪除く:38.5cm)
全高:51cm
車重:18kg(バッテリー含む)
タイヤ:20インチ
4月20日==ギアとモーターを取り付けるベースを作る。ハウスの谷用の樋がアルミの3mm厚で、手ごろなはぎれがあったので利用する。3mmでは不安なので2枚張り合わせる。
ウエイト発見、倉庫にトラクターのウエイト(後ろに着ける作業機と重量バランスをとるために、フロントに付ける重り)が転がっているのを見つけた。少し削ればエンジンルームに収まりそうです。重量は20kg、少しボディを補強しないと壊れそうです。
鈴鹿サーキットは右回りだったのに、豊橋は左回り。前輪の取り付けアームが左が長く作ってあるのでちょっと厄介なことになりました。車をいじれるのは月に2、3日しかないのに・・・
5月4日==パワートレインが出来たので車体に組み付けテストしてみる。
今日はドライバーがこれなかったので、中学生の姪に乗ってもらってゆるい坂で発進してみる。
20インチタイヤに120×28のギア比、特電の250Rに,HAWKERの2V×9本の組み合わせです。ウエイトは積んでいませんでしたがスムーズに発進できました。
しかし、バッテリーを3本抜いて12Vだとタイヤを持ち上げて空転状態でも回りませんでした。残念ながら増幅器のめどが付かないので、このままではバッテリーがへたって来た時、電力は残っていてもモーターを回すことが出来ない、と言うことになりかねません。それに、2.5Aで走ると1時間では電力を使いきれない可能性もあります。
そこで大会事務局の推奨するパナソニックの12V×2を使用することにしました。これだと取り出せる電力は若干少ないようですが、ブースターなしでも最後まで使い切れそうです。2.5Aでちょうど1時間くらい持ちそうですし。
充電ドリルのバッテリーを2個直列に繋いでテストした所、当然のことながら発進は力強くなりました。ピニオンも20丁に取り替えてタイヤを浮かせてコントローラーを開放にした所、38.5km/hまで出ました。
トラクターのウエイトが意外にもエンジンルームにすんなり収まりました。重量が足らない分は、メンバーが帯鉄を見つけてきたのでこれを15cmに切断して必要な重量になるまで束ねます。
5月18日==試走会 今日はドライバーにとって初めての試運転だけれど、その前にメーターやスイッチ類、それにドライビングポジションを合わせる必要がある。あらかじめ適当な位置に付けておいたのでとにかく乗ってみる。あ、その前に体重を量ってウェイトを乗せなければ・・・
20数キロのウェイトを固定して乗り込むと、スイッチ類は問題ないようだがメーターが見えない。それと、首のところが背もたれの段差の所に当たるようだ。とりあえず応急処置をして豊橋へ。
バッテリーを受け取ってさっそく配線を作る。これも半田付けしたくなるような端子です。
最も気になる取水口周りは道幅も狭く、結構曲がりくねっていて路面も荒れているしちょっと不安です。
坂は距離が短いので混雑しなければ問題無さそうです。
2周ほどしてドライバーの感想は車が小さいので2、3台固まっていてもそれほど問題はない、とのこと。
坂も問題なく登れるけれど、1箇所きつい段差がありカウルやウエイトがずれそうです。
2周して、あまりスピードが伸びない(最速29km/h)し、電流も4Aも流れたのでピニオンを小さく(18丁)変更してみる。
今度は24km/hしか出ない上に電流も4.5Aも流れている。2周ほどでバッテリーがへたって来たので今日の走行は終了とする。ギヤ比を下げたのに電流が増えるのはおかしいと良く調べた所、カウルが下がってタイヤに擦っていた。ドライバーが首のところが当たって痛いからとタオルを当てていたため、bカウルが持ち上がってうまく留められず、ずれたようだ。
これではテストにならず18丁にするか20丁にするか、最後まで悩みそうです。
タイヤカバーも付けられず、ガソリンレース用のサービスホールも大穴が開いたままで十分な体制ではなかったので、今日のデーターはあまり参考にならないけれど、取水口周りを問題なくクリアーできそうでそれだけでも大きな収穫でした。
リヤタイヤを持ち上げて空転させた時、0.1A
も電流は流れてないので、大きな抵抗はタイヤの転がり抵抗と空気抵抗だけだと思います。時代遅れの細身のタイヤは今さら仕方ないので、空気抵抗を減らす努力をしたいと思います。
5月25日==アッパーカウル新調
ドライバーがややふくよかになった?ため、もともと無理もあったコクピットが風防がきちんと収まらなくなったのと、エンジンレース用のサービスホールをふさぐのが厄介なため、ボディーの上半分を作り直すことにしました。
雄型が残っていたのでそれにサランラップを巻き、その上にFRPをはり、さらにその上にサランラップを巻いて表面を整えました。もちろん、完全に滑らかにはならないのでパテと磨きで修正するのですが、メス型を作ってその後製品を作るよりは楽ではないかと考えました。何度も、パテ、磨きを繰り返しやっと何とか見られるようになったので雄型からはずしボディに被せてみました。ところが・・・
サイズがまったく合っていません。思い出した、最初作った型は小さく作りすぎてドライバーが納まらなかったため、縦横に切断してストレッチしたんでした。やむ得ません。今回も縦と横に切って引き伸ばしました。
窓になる所を切り取ってペット樹脂の板に張り替えました。
今回はリヤカウルと風防を一体で作り、やねの部分はFRPにして後で黒く塗りました。
フロントホイールにフイルムを張り、フロントアームにもカバーをつけて一応の空力対策が終了しました。
5月31日==予選 前の日までに何とかカウルを仕上げてあわててペンキを塗り準備を整えたのですが、なんと台風で予選中止となりました。これ幸いと細部の仕上げをしました。
決勝 6月1日
まだ雨が残ってますが、何とかレース前に試走したいと朝早く出て8時前には会場に着きました。車は組み立てていったのでそのまま車検の列に並びました。ところが車検委員の要領が悪く、2輪が優先と言うこと以外はアナウンスや委員からの指示も無く、ろうろしているうちに試走時間が過ぎてしまいました。
この強風の中、予選も無くいきなり決勝で2輪のエントランとにとって不安が一杯でしょうから、やむ得ないと思いますが。
車検そのものは何の問題も無く通過したのですが、バッテリーを繋ぐ端子を忘れてしまい、レース出走までにはたっぷり時間が有るので近くのホームセンターに買いに行きました。
新しいカウルにドライバーは始めて収まったわけですが、全体に少しずつ拡げた物の、まだ少し首の所が当たると言うのでその部分のアルミパイプをたたいてつぶし、後ろに補強のパイプを入れました。
学生の3,4輪は強風の中順調に走ってますが、トップは30kmくらいのようです。上位がこのくらいの水準なら助かるのですが、試走会でのファストステップやバズファクトリーの速さは異常でした。
スターティンググリッドに車を並べる頃には、風は強いけれど日が射してきて雰囲気が盛り上がります。
エンジンレースではちょっとした事でエンジンの機嫌が悪くなり、いつのレースでもゴールするまで不安が付きまといました。しかし、モーターはトラブルなど殆んど無く、しかも我々は過去のレースで駆動系以外のトラブルでリタイアしたことは殆んど無いほどシャーシー性能は安定しているので、今回は心理的にかなり余裕があります。
いよいよスタートです。
痛恨のスピン!!
グリッドは中ほどでしたが順調に前に出て第一コーナーを抜ける頃には6番手くらいにつけていました。この調子だとはじめの数周はいい線いくかもしれない、などと考えていたのですが・・・
先頭グループが次々と通過していく中いつまでたっても姿が見えません。無線が入るのですが良く聞き取れません。不安になり取水口の方に向かって歩き始めます。もうすでにスタートから十数分経っています。
コース上に目をやりながら走っていると、見えました!ピンクの車体が南側のストレートを通過していきました。寛ちゃんから『ただいま再スタートしました』と、無線が入る。本当に一安心ですが、どういう状況だったのか知りたくて取水口に急ぎました。
後からドライバーに聞いた話も総合すると次のようでした。
周回路から迂回路に入る最初の坂で、リヤタイヤがグリップを失いスピンしました。ノーズが内側を向いてそのまま縁石にぶつかり、さらに乗り越えて芝生の上に収まりました。縁石にはピンクの跡が残り、フロントノーズは先端につけていた警笛が外れて落ちそうになっています。
腹が使えている状態なので動くことが出来ずコースに引きずり出す代わりに1点減点ということでした。もちろんこのままリタイアするよりは減点しても復帰できた方が良いですから出してもらいました。
路面もあまり滑らかではないし、アウト側によっていれば砂や小石に乗った可能性もあります。しかし、最大の原因は後輪荷重が大きすぎたことでしょう。後輪とドライバーの間に19kg程のウエイトを積んでいます。そこしか積める所が無かったので、ちょっと問題があると思いながらもそこにしました。のこり7kg程はひざの下に積んでいます。測ったわけでは有りませんが、荷重のかなりの部分が後輪にかかっています。細身のタイヤが耐えられなかったのでしょう。
そのままそこで待っていると6,7分して戻ってきました。しかし、今回は非常にゆっくり降りてきます。最終的に6週と半分くらい走れたのですが、2週目以降はコーナー手前でブレーキを踏んだそうです。かなり手前からコントローラーを一杯に絞ってもスピードが落ちずに、やむ得ずブレーキで減速しました。2度もスピンしてはたまらないので当然の処置でしょう。
結果的に成績そのものには不満もありますが、重量バランスだけ修正してやればそこそこの潜在能力があると確認できたし、あれだけの衝撃と、20数キロのウエイトにも耐えられるシャーシーの強度も証明できました。
現在のこの車のウイークポイントは、時代遅れの細身のタイヤと、そのタイヤが露出していることだと思います。今回のレースでこのタイヤで何処まで走れるか試したかったのですが、来年もう一度このままチャレンジするのか、あるいは来年までにミシュランのエコタイヤに変更するのか悩む所です。
バッテリーとモーターのコントロールに関しては、まったくの素人なのでしっかり勉強しておきたいと思います。
最後に、コースアウトしてもレースを続けさせてくれた運営委員の皆さんと、スピンした所で最初から最後まで見学していて、暖かい応援や、激励の言葉をかけてくださったギャラリーの皆さんに心からお礼申し上げます。
昭和シェル石油カーグラフィックマイレッジマラソンへの挑戦記録
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