9月21、22の両日鈴鹿サーキットで行われた昭和シェル石油 CAR−GRAPHICマイレッジマラソンにアクアグリーン号が出走しました。吉見農園とその仲間からなるチーム エスプリ ド フェルミエから長男の吉見章太郎をドライバーに吉見和人マネージャーで参加しました。
車の運転経験のない中学生で、身長は176.5cmとトップクラスと言うハンディがありながら他の人との順位ではなく自分が全力を尽くすことに意味がある、との考えから取り組んで来ました。
9月9日15才になったばかりのドライバー吉見章太郎は大会最年少と言うことで選手宣誓と言う大役を仰せつかり、自ら「台風やマシントラブルにもめげず全力を尽くすことを誓います。」と宣言しながらマシントラブルに負ける結果となりました。
しかし、2回の公式練習と決勝3周目までは台風の強い風にも安定した走りで4周目マシントラブル発生後も予想外のトラブル個所を発見、修理に全力を尽くしました。結果は道具なしでは修理出来ずリタイアとなりましたが充実した2日間となりました。波乱含みの今大会をここに振り返ってみようと思います。
9/9 地元での最後の練習のつもりがフェンスに激突。前輪を取り付けてあった3mm厚のアルミにステンレスを巻いたパイプが引きちぎれ、アルミ・FRP混成モノコックのフロントセクションが大破、再生不能と思われました。91年参加以来放置してあった2号車(今回のは3号車)を整備して使おうと3号車のエンジンパーツを移植し始めましたがドライバーの体格が合わず、しかも運転操作がまったく違うので無理があると判断。3号車を再生できなければ棄権もやむをえないと覚悟を決める。重量増にも目をつぶりアルミにFRPを貼り付けテストもせずに組み付ける
9/20 夜までに何とか破れたボディも修復して、下塗りの白を塗る所までできあがる。台風がピッタリマイレッジとかち合いそうで温室を離れることに不安を感じながらも問題のありそうな窓等を止めて回り、車のエンジンに防水対策をしたあとトラックに積み込む。
9/21 前日の風雨がうそのように静かで、雨もほとんど降っていない。車検を受けてオイルを入れエンジン始動。すんなりかかって一安心。ホイールアライメントを調節してスタートラインへ。やはりフロントメンバーの取り付け位置がずれたのか、もともと低い地上高が更に下がってドライバーが乗ると1cmたらず。スタートラインに着くまで何度も腹をこすり若干の不安を感じながらも無事スタート。
特にふらつく様子もなく、2周目にはピットに手を振る余裕もできて無事午前の練習を終了する。ピットに戻ってみてリヤカウルがないのにびっくり。本人はまったく気がつかなかったと言う。
大会運営委員の人が来て選手宣誓の依頼がある。
午後も順調に周を重ね無事公式練習を終了。マネージャーズミーティングのあと選手宣誓のリハーサルも行われた。
今までの大会は土曜の夜はこちらで泊まっていたが、今回は温室が不安なので帰宅。今度は晴れて室温が上がりすぎる心配があるので、止めてあった天窓を自動で開くようにして回る。
9/22 出走は午後からなのでゆっくり出かけるつもりだったが開会式にでなければならないため今日も5時出発。
なんとかどじる事もなく選手宣誓を終える。
スタートまで時間があるのでボディにAQUAGREEN@のロゴをいれる。ほんとはボディをブルーに塗る予定だったが、ここでスプレーするわけにいかないので下塗りの白のまま文字をブルーにする。
家族親戚もスタンド中央に陣取りいよいよ決勝スタート!
強い風が吹いているものの低い車高が幸いしてかふらつくこともなく順調に周回を重ね3周。ピット前で大きく手を振って余裕を見せる。4周目5分がすぎても戻ってこない。2周目も5分ぐらいかかっておりもう少し速度を上げるよう指示したほうがいいかな、と思いつつも不安がよぎる。「エンジンが回らない。」とドライバーからの無線。(一家そろってハムです。)
マネージャー:セルは回るのか。 ドライバー:回りません。 M:バッテリーの配線がぬけたんだろう! D:配線が抜けているようですけど何処につなぐか判りません。 M:後ろのエンジンルームに直接いっているのが−でハンドルポストの方に登っているのが+だ! D:よく判りません。後ろに行っている配線が二又に別れているのはどこに行くんですか? M:それは暖気用の外部バッテリー端子だ。継がなくていい。 D:セルを入れるとカチと音がします。 M:チェーンだ!チェーンが外れてないか見てみろ。 D:はずれてません。 M:タイヤは手で回るか?クラッチが噛んでいるかもしれない。後輪を持ち上げてセルを回してみろ。 D:何も起こりません。…………・スタータとエンジンのギアとの間に何かはさがっています。 M:エー! それだ。取れないのか。 D:取れません…………・。
その後、ドライバーは車の部品を取り外してギアの間に噛んでしまった金属をつついたりしましたがどうしても取れず、時間切れでリタイアとなりました。家で分解した所エンジン側のギアの裏に溶接してあった重り?バランスウエイト?我々が手を入れたものでなくベースエンジンに付いていたもので役目が良く判りませんが、溶接部分が割れて飛び出しセルのピニオンと噛んでしまったものと判りました。片側は溶接が付いていたのであの場でとることは不可能でした。
こうして我々のマイレッジは幕を閉じました。ドライバーは予選決勝と一度もミスもなく、トラブル発生後も的確に対処したのに最高の思い出としてやれなかったことにマネージャーとして、父として、メカニックとして情けない思いです。この悔しさを胸に、来年もがんばろうと思います。