植物は人類が生きていく上で絶対欠かすことの出来ない、貴重な資源であることはいまさら言うまでも無いことですが、地球上のどこかにジャングルがあれば良いと言う物では有りません。
植物は炭酸ガスを吸って酸素を出すだけでなく、その他にも多くの人間にとって有害な物質を吸収し、有用な物質を発散しています。
最近サンスベリアがマイナスイオンを多発生することで注目されましたが、量の多少の違いは有れ、他の植物でも同様の効果があります。
もちろん視覚的にも人間の精神に与える影響は重大です。
私たちの身近に、生活空間に植物を置く必要があります。
しかし、人類は文明が進むに連れ自然から離れて暮らすようになってきました。
そんな現代人の生活に、少しでも自然の潤いを取り入れるのが観葉植物です。
吉見農園では手軽に誰にでも管理できる、育てやすい観葉植物の生産を目指してまいりました。
しかし、やはり相手は生き物です。人工の環境の中でほったらかしでは生きていけません。
少しの知識と、思いやりが必要です。
この吉見農園ホームページで、少しの知識をご提供できたら幸いです。
個々の品種についての情報は、吉見農園で栽培している品種のページを見てください。
ここでは、観葉植物全体について触れます。
観葉植物といっても、ゴムの木やヤシの木のように本来大きな木になるものから、シダのように軟弱なもの、蔓になって這っていくもの等、千差万別です。
当然これらの原産地の自然環境は大きく違います。
しかし、吉見農園では二百数十種類の植物を1つの温室で栽培しています。
観葉植物は人間の生活環境に飾るものだから人間に快適な環境で育つよう工夫しています。
植物にとって共通の重要なポイントも多々あるのです。それを理解して、あと各品種の主な特性を少し把握していればそんなに手をかけなくても元気で育ってくれます。
ただし、残念ながらお客様の手に渡ってからの様子に思いを寄せず、自分の温室での生育にのみ、神経を使う生産者もあります。
同じ品種でもどのような培地で植えられているか、どのような環境で栽培されたかによって、管理の仕方も大きく変わります。
まず買い求めるときの注意点ですが、
買ってからその植物にあった置き場所を考えるよりも、やはり置き場所を決めてからその場に合った植物を選んだ方が良いかと思います。
日陰に強い植物、寒さに強い植物等色々あります。
前にも述べましたように、吉見農園ではすべての品種を出来るだけ人間にとって快適な環境で育てるよう心がけています。
ライブカメラを見て頂けば非常に多数の品種が一緒に栽培されている事が御確認いただけます。
しかし、じっさいに御家庭で飾られる場合、植物にとってかなり厳しい環境である場合が多いので
そこに合った品種を選択した方が管理が楽になります。
ラベルに書かれた特性や吉見農園の吉見農園で栽培している品種のページ、米村先生の等を参考にして下さい。
そうは言っても自分の気に入らない品種を飾る必要はないし、とても気に入った植物があればぜひそれを飾ってみてください。
ちょっとした品種の特性を把握すれば、殆どの品種が一般の家庭でも栽培できます。
ただし、同じ品種でも個々の鉢によって状態が大きく変わります。
本来乾燥に強い植物でも、それまで育てられた環境が締め切った高温多湿の温室で、毎日のように葉水をうってって育てられた植物では、乾燥すればすぐに萎れてしまいます。
培養土の表面が少し乾いた状態でも葉が垂れてなければ大丈夫だと思いますが、十分水分を含んだ状態であれば節間と葉柄の長さを見てください。
節と節の間や葉柄が伸びているものは軟弱に育ったものです。
同じ品種なのに1枚1枚の葉の大きさが異常に大きい物も、徒長している可能性が高いです。
こういったものは一般的に寒さにも弱く、直射日光にも弱いです。
葉の中の水分が多いと(細胞の溶液濃度が薄いと)耐寒性が落ちます。
培養土の違いも大きなポイントです。あまり湿ってないのに重い土や、培養土の表面が硬くなっているもの避けた方がいいです。
水や空気の入る隙間が少ない証拠です。
水をかけた時に、さっと沁みていくことも重要です。
水をかけた時に、培養土の中の古い空気を水が追い出して、新鮮な空気に入れ替えることも必要です。
沁みにくい培養土は鉢全体に水が行き渡らず、一部分をとおって鉢の底に抜けてしまうこともあります。
逆に鉢の一部に停滞して水が腐ることもあります。
次に買ってからの管理についてですが、
光線
店頭に並んでいる鉢物は生産者が荷作りしてから店頭に並ぶまで、ずいぶん時間がかかっています。
めまぐるしく環境が変化しますから、買ってしばらくは特に注意が必要です。
一般的に言って観葉植物は強い直射日光を嫌います。
生産者の温室で日よけ無しで育った植物でも、荷造りしてから3,4日箱詰めしてあった物を急に直射に当てれば日焼けします。
しかし、日が当たらないと植物の抵抗力が落ちます。
部屋の中の、日中直射日光の当たらない範囲で、なるべく明るい所が好ましいです。
暗い部屋の中でもなるべく照明の近くに置く、等配慮してください。
温度
温度についても、締め切った部屋は日中異常に温度が上がりすぎたり、夜間冷え込んだりと、人気のない部屋は温度変化が大きくなりがちです。
昼夜の温度差が大きくなりすぎないように気をつけましょう。
この点でも人の多く居る所、人の近くに飾る事が有効です。
水
意外に水をやりすぎて枯れることも多いようです。
最近は培地にも十分配慮してあるので、水持ちもずいぶん良くなっています。
吉見農園では基本的には夏でも日よけ無しで、換気扇で十分風を入れて温度を下げていますが、それでも水遣りは週に2回から3回までです。
通常は一般の家庭で、毎日水をやる必要はありません。
一般的に、やはり葉の厚い多肉植物は乾燥に強く、葉が薄くて葉面積の大きい植物は乾燥しやすいです。
鉢に対して植物が大きくなりすぎた場合や、根が鉢の中一杯になって水が沁みる隙間がなくなってしまった場合などは、頻繁に水やりする必要がでてきます。
また、エアコンの風が当たるような場合は、わずかに葉がゆれる程度でも非常に乾きます。
培養土の表面から蒸散する水分もかなり多いです。
鉢土の上に敷物をするのも乾燥を防ぐのに有効ですが、
水遣りのタイミングがわかりづらくなるので注意が必要です。
たまには頭から水をかけて葉を洗ってやりたいこともありますが、水をかけた直後に直射日光に当ててはいけません。
水滴がレンズ状になって部分的に葉焼けを起こします。
ツデーやベビィーティアーズ、シクラメンのように葉が濡れていると腐りやすい品種もあります。
葉の上から
潅水した後は、風を通して蒸れないようにしましょう。
長時間濡れていると雑菌が急激に増殖します。
夜までに乾きそうも無い場合は、葉に水をかけないようにしましょう。
冬は細胞内の水分が多いと寒さに弱くなります。
水遣りは控えめにしてください。
肥料
肥料については、吉見農園の鉢物は基本的には一シーズン分の元肥が入れてあります。
植物の生育に必要なすべての成分が配合してあります。
買われた翌年の春に一回り大きな鉢に植え替えながら、元肥をやって頂けば良いかと思います。
しかし環境によっては早く肥え切れを起こすこともあります。
この場合は薄い液肥をやってください。
品種によっては特定の微量要素を多量に必要とする物もあります。
この場合、必要な微量要素を適量ほど越すのは非常に難しいです。
また、どの成分が不足しているか正確に見分ける事はプロでも困難です。
微量要素欠乏と思われるときは、思い切って有機質にとんだ新しい培養土で植え替えたほうが無難でしょう。
アクアグリーンやインテリアロックのように土を使わない特殊な培養土の場合は
あまり大きくなって普通の土に植え替えることになっては、せっかくの発泡セラミックや高吸水性樹脂が無駄になります。
肥料があるとアオミドロが着いたりして汚くなります。
これらの場合は水道の水だけでも生育は遅くなりますが十分元気です。
この場合はあまり明るい所は避けましょう。
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色々なことを書いたので植物を飾るのにもずいぶん神経を使うなあ、と思われた方もあるかもしれません。
しかし、植物にあった環境であれば3日から1週間に1回程度の水遣りだけで結構元気に育ってくれます。
吉見農園の事務所においてあるサンスベリアは3ヶ月に1度水をやるだけです。
環境に合うかどうかは品種だけでなく、培養土の種類や鉢の構造にもよります。
自分の飾りたい所の環境ににあった鉢物を見つけて永く植物と一緒の生活を楽しんでください。